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Oh!E-Do!!ワンダースペース(仮)開設に向けて - Selas

2015/07/10 (Fri) 09:45:15

Oh!E-Do!!ワンダースペース(仮)開設に向けて、デモ運用テスター募集!!
来たれ、腕に自信のあるアークス諸君!!


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「いらっしゃいませー!……あ、セラス、いつものおじさんだよー?」
「ちーちゃん! お客さんだから! 指さしたりしちゃダm……危ないでしょくろみつー!」
 ちーちゃんに注意した途端に飛んできた黒い文鳥を手にしたダンボールでキャッチ。手早く封をしながら、私は入ってきた人を見た。
 ちょっとよれたスーツ姿は、夕方や夜、深夜にかけて見かけることが多い。おじさんも挨拶した私たちに気付いたのか、少し疲れた笑みを浮かべていた。
「セラス―! くろみつ出してよいじめないでー!」
 手元を見ると、ダンボールが1人で暴れ回ってるような勢いでべこべこ言ってるんだけど……何これ。とりあえずそれをちーちゃんに手渡して、私は品出しの続きに入ろうとした時。不意に背後に、影が立った。嘘、気付かなかったんだけど……!
「わっ!?」
「申し訳ない、驚かせたかな」
「あ、いえ……すみませんでした、大きな声出して。何かお探しですか?」
 おじさん、気配なかったよ……あっさり背後を取られて、何だか凹みながら聞くと、おじさんは手にした筒から何か取り出しながら話し出した。
「いや、ちょっとお願いがあってね……店長さん、いるかな?」
「あ、今店長、席外してて……」
「あぁ、そうか……いや、ちょっとこれを店先に貼らせてもらえないかと思ってね。目立つところだと助かるんだが」
 何だろこのポスター……私が首を傾げた横に、ひょこんとちーちゃんが立った。
「えー、なになにー?」
 にこにこしたまま、ちーちゃんはポスターを覗き込む。それに引っ張られるように私もそれを見る羽目になって……脱力、した。
「『Oh!E-Do!!わんだーすぺーすかっこかり』……?」
「……あっ、」
 たま悪い、は何とか飲み込めた。危なかった……ってゆーか何でお父さんみたいなセンスの人が居るんだろ……。お父さんの声で再生されかかるのを振り払い、お断りの言葉を考え出した私の隣で、ちーちゃんの目はもう既にキラキラし始めていた。
「セラス、セラス」
「……いやちょっと待ってちーちゃん」
「えー! なんでよー! 楽しそうだよ行こうよー!」
「いやいや、これ、アークスへの募集だからね?」
 おじさんが苦笑する。ポスターを改めて眺めると、確かに何か妙にポップな書体で『来たれ、腕に自信のあるアークス諸君!!』なんて書いてある。ワンダースペースとアークスの接点が全く見当たらない上に、何でまたちーちゃんちの庭にあるこのコンビニにわざわざポスター貼りに来たんだろ、このおじさん……。まぁでも、まさかホントにアークスがこんなトコでバイトしてるだなんて思わないよね、ふつー。……そこまで考えて、私はちーちゃんを放置していたことに気付く。見れば、ちーちゃんはトランサーからいつもの格好を引っ張り出して、羽を広げたところだった。……あっ!?
「あたし達アークスだもん! ねー、セラス!」
「ちょっとちーちゃん何でそーゆーこと言うの!?」
「えー、だってホントのことじゃん! JKでコンビニのバイトもしてるけど、本職はアークスだもん!」
「HIME KAKKO I-!!」
「SHIBIRERU-!!」
「うるさいよ鳥―!!」
 ――気が付くと、おじさんがドン引きだった。あとお客さんもレジ前でこっち見てぽかんとしてた。慌てて咳払いしてレジを済ませて戻ると、ちーちゃんはもうノリノリになっちゃってるみたいで、おじさんとすっかり打ち解けはじめていた。
「やー、居るもんだな身近にアークス。噂聞いたから来てみたんだが、こりゃあ当たりだったな」
「噂ってー?」
「馬鹿でっかい鉄板みたいなのに乗った男が、パトカーの追跡振り切ってここの駐車場で降りたっていう話が」
 お父さんじゃんそれーーーー!? ちーちゃんがくるりと私を振り返る。肩に乗った2羽の鷹が、口々に言った。
「ANEGO-!」
「ANEGO NO PAPA!」
 もれなく豆をぶつけて沈黙させると、私はおじさんに向き直る。よれたおじさんは何だか、妙に生き生きしていた。
「あの、私たち、これからバイト上がるんですけど……もし、お話あるならちょっと伺います……」

                                  +++++++++

 おじさんは、市街地にある小さな旅行社の社長さんだったらしい。連れていかれた小さな事務所には、すごく綺麗なお姉さんが居て、私とちーちゃんを見ると少しびっくりした顔になった。
「社長、こちらのお嬢様方は?」
「あぁ、例の企画あったろ? アレの協力者だよ」
「……騙されたのであれば、今が帰り時ですが。悪いことは申しません、見切りはお早めにつけた方がよろしいかと」
「おいぃ!? 何で騙した前提だこら!」
「どう見てもこちらのお嬢様方はいわゆるJK、対して社長はくたびれた中年。犯罪臭しかいたしません、会社のためを思うのでしたら早目の自首を」
「お前ホント自分のマスターよくそこまでこき下ろせるな……感心するわ……まぁいいや、嬢ちゃん方にケーキと茶でも出してやってくれ」
「承知いたしました」
 お姉さんの歩く硬い足音で、初めてキャストさんだったことに気付く。何となく後姿を見送っていると、隣に座ったちーちゃんはきょときょと周りを見回し、私にそーっと囁いた。
「ねーねーセラス、あたしこーゆーとこ来るの初めてかも!」
「……そいえばちーちゃん、お嬢様だもんね……」
 結構忘れるんだけど。社長さんは私の前に資料らしき端末を出して、展開する。手で示されて、遠慮なく目を通すと、この企画はハルコタンの観光推進とそのついでにいろいろ困ったモノが湧いてるのを討伐しちゃってよ、って内容らしい。正直市街地にある旅行社が立てる企画としては、アークスにだけ絞られてるってのが不思議……。
「どーだい、判ったかい?」
「……ってゆーか、何でアークス向けの企画なんですか? 社長さん、アークスじゃないですよね」
「あぁ、それはなー……」
「え? え? なになにー?」
「ケーキとお茶をお持ちしました、お口に合えばいいのですが」
「わー! ありがとありがと、いただきまーす!」
 絶妙なタイミングでお茶を運んできてくれたお姉さんが、ちーちゃんを秒殺。社長さんが目配せしたっぽいのを見ると、何か狙ってたぽいなー……。私は改めて端末に目を向ける。社長さんも手元に同じ資料を開きながら話し出した。
「ま、コイツを頼んだのはアークス上層部の知り合いでなー? 何でも、ジャポネ風の雰囲気の惑星が見つかったんだろ? でも、変なモンもうじゃうじゃ湧いてて、とても観光なんか出来たもんじゃないんだってな」
「ハルコタンのことなら、うん……アレは……」
 桜が咲いてたり、綺麗な建物が多くて、行くと体がすっごく軽くなるんだよね、ハルコタン。でも確かに黒の民とかダーカーとかシェイハッとか……やらなきゃいけない仕事ってことばっかりで、観光とか考えたことなかったなー。
「どーもそいつに言わせると、あの場所をそんなモンに占拠させとくのは勿体ねーんだと。で、何とかなんねーかって相談受けてな……実際そいつに視察に行かせたんだが、ありゃ普通に旅行プラン立てたところでぐずぐずに崩れるのが判っただけでなー」
「そりゃ、だってあそこ結構面倒だし……ってあれ、お姉さん行ったの?」
「他のアークスの方に紛れてですが。なかなかに良い土地ではありますが、一般人が向かえる場所ではありませんね」
「そう、そこでだ! お嬢ちゃん方アークスの出番ってわけだ!」
 社長さんが身を乗り出す。……いや、このお姉さん何者なの……?
「討伐ついでに観光して、現地の人の役に立ちつつ遊べる一石二鳥の企画! 見栄えもするロケーションだから、こうジャポネ風の衣装を着てもらってバシバシ画像データとかこっちに流してもらって! 食うか食われるかのスリルの中、いつもと違う格好のあの子に思わずドキッ☆みたいなのもあれば嬉しいなっていうか是非やってきてもらいたい!」
「いや最後おかしくない!?」
「あるだろ、吊り橋効果ってヤツだよ、いけるいける」
「ただの危ない橋だよ、命かかっちゃってるヤツじゃん!?」
「いいだろJK-、ちょっとこう、ドキドキ☆いつものアイツと違う……(はぁと)くらいやって来いってー」
「うああああん、何かJKに変な夢と希望持たれた―――!」
「あたしやるよー!」
 社長さんと私の話を遮ったのは、ちーちゃんだった。綺麗に食べきったケーキのフォークを置くと、にこにこしたままのちーちゃんは言う。
「あたし達の友達とか知ってる人に話してみるよー、皆きっとやってくれると思うし!」
「そうか! 悪ぃが、今回デモテスター募集で、礼金は弾めないんだが……」
 社長さんは言いながら、小さなチップを取り出す。2枚あるそれは、鈍いフォトンの光を内蔵してるみたいだった。それを私に渡すと、なんだか不思議な笑いを見せて、社長さんは言った。
「そいつはその知り合いからの預かりもんだ、落ち着いたら使えとか何とか言ってたな」
「何だろ……うん、預かっておきます」
「ねーねーセラス、何着るー? あたしオイランとか着ちゃおうかな、えへえへ」
「ってゆーかその前に説明皆にしなきゃじゃん……」
 ……こうなったらやるしかないかなー……ちーちゃんめっちゃ乗り気になっちゃったし。それにドキッ☆はともあれ、皆と出かけられる機会なんてそんなにないんだし。
「社長さん、このデモって早めに実行した方が良い?」
「フィードバックやら何やらあるしな……出来るか、お嬢ちゃん」
 社長さんが言う。私は立ち上がり、深々と頭を下げて答えた。
「アークス所属、セラス・アルヴェインです。依頼、確かに承りましたっ」


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開催日:7月12日(日) 0:00~ 簡単な説明開始
           0:30~ 白の領域フリー(XH予定、大体2周ほどを考えています)
集合場所:B30 赤バー(Vitaユーザーの方がいらしたらご連絡ください、共用スペースへ移動いたします)
持ち物:ジャポネ風衣装、テンション、ノリ


*導入が長くなりましたが、こんな背景をもって今回のネタは始動しております。
宜しければみんなで遊びましょう!!

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