冬☆満喫！ソーン特製鍋ツアー☆ - Selas
2015/12/18 (Fri) 22:41:52
……今回めっちゃ速かったなー……。
目の前の、湯気の上がる紅茶を勧められて、カップを手に取る。いい香りのアールグレイと、何か前に来た時よりもグレードアップしてるケーキを眺めて、私は改めて招待してくれたおじさんを見た。
ここは市街地の片隅にある、小さな旅行社。おじさんはここの社長さんで、前にハルコタンでの観光企画のデモンストレーションを手伝ったのが縁で、バイト上がりの私とちーちゃんがここに招かれたわけだけど……ちーちゃんはすっかり出されたケーキに夢中で、こっちの様子に気付きそうにない。
「っていうか……アレですよね、すごい勢いでここまで連れてこられたんですけど、これってまた何か私たちに頼みたいってパターンですよね？」
「嬢ちゃんは相変わらず察しが良いなぁ、助かるなー！ ほら、ケーキどうだ？ 美味いぞ、ここのはー」
「ちーちゃんじゃないからそれだけで誤魔化されないですからね！」
「えー？ なになにー？」
「紅茶、おかわり入りましたよ」
こっちを向きかけたちーちゃんの視線を遮るように、お姉さんが身体を滑り込ませて紅茶を注いでいく。……完全にこっち来ないようにブロック入っちゃってるじゃん、あれ……。小さく溜息をついてケーキを一口食べてから、私はおじさんの方を見る。
「それで……今回は何なんですか？」
「まぁ、例によって例のごとくの企画書なんだがな。嬢ちゃんの方にも今送るから、軽く目ぇ通してくれるかい」
「あ、はい」
端末を見ると、無駄にカラフルな文字が飛び込んできた。
「冬満喫、ソーン特製鍋ツアー……？」
「おいおいおい、JK！ そこのJK！！ もう少しキャピった感じでもう1回！」
「いやJK関係ないし！！ ってゆーかダメ出しとか意味判んないんだけｄ」
「駄目だよセラスー、こーゆー時は乗らなくちゃー！ 『冬☆満喫っ！ソーン特製鍋ツアー☆』！ いえーい！！」
「HIME! HIME KAWAII!! PYAAAAAAAAAAAH!!」
「うるさいよきなこ！」
ひょい、と横からちーちゃんの手が私の端末を取り上げて、きなこが絶叫する。止める間もなく、ちーちゃんはざっくり企画書に目を通してしまったらしく、満面の笑みで私を見た。
「ねーねーセラスー」
「またこのパターンだよ……！」
「だって美味しいお鍋とか超嬉しいしー！ 寒くなってきたし丁度いいよねー！」
「あー……もー……」
結局こうなるんじゃん……！ 端末をちーちゃんの手から取り返して、もう一度内容を確認する。小さくない溜息をつくと、流石に覚悟も決まった。
「おじさん、確認していい？」
「おぅ、頼む」
「今回の依頼は、ソーン特製鍋協会？……すっごい怪しいけど、ここからの依頼でソーン名物の鍋を作ってみようっていう企画なんだよね？ で、そのために惑星ナベリウスの凍土地区への渡航並びに探索を私たちがする」
「そう、で、その際に鍋に使えそうな食材を現地調達してほしいわけだ。除染関係はこっちの伝手もある、当日までに転送ボックスを用意しておくからそいつを使ってくれ」
「で、その際に服装はクリスマスっぽい軽装で行かなきゃなんだね……寒いのに……」
思わず目がｼﾞﾄ目になるのが判る。おじさんはそんな私を見て笑って言う。
「アークスってのはフォトンで大体何とか出来んだろ？」
「寒いものは寒いの！！」
「だから鍋であったまろうって話じゃねーか、なぁ、そっちの嬢ちゃんもそー思うだろ？」
「お鍋楽しみー！ あ、セラス、会場はミスリルさんに頼んでウチのチームルーム開けてもらえることになったから安心して！」
「早くない！？ 手配めっちゃ早くない！？」
ちーちゃんがこんなトコで本気出した……。思わずこぼれそうになった溜息を噛んで飲み込む。背筋を伸ばして、おじさんを改めて見る。おじさんは笑った目のまま、頷いた。
「アークス所属、セラス・アルヴェイン……依頼、確かに承りましたっ」
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開催日：12月19日(土) 22：30～ 簡単な説明開始
23：00～ 予告緊急・『氷上のメリークリスマス4』へ（XH予定ですが参加者のLv帯に合わせる感じで）
0：00～ T.E.A.M Vesuvaチームルームにて忘年会的な何かを始めます
集合場所：B30 赤バー（Vitaユーザーの方がいらしたらご連絡ください、共用スペースへ移動いたします）
*当日の混雑状況に応じてブロックの変更の可能性がございます。
その際にはゲーム内のフレンドメッセージ・ツイッターを通して随時お知らせいたします。
持ち物：クリスマス衣装（軽装）、テンション、ノリ